危うく570人のボーナスを遅らすとこだった!(109)
今週のお題 【記憶に残るお仕事】(失敗編)
使い走りの新人時代の恥ずかしい失敗
結果的には大事に至りませんでしたが、大学卒業後新人時代に今でも【記憶に残るお仕事】をしたことがあります。
人事課に配属された私は上司や先輩に恵まれ、伸び伸びと仕事をさせてもらつていました。
とはいうものの社会人なり立てで、課内の電話を取るのも、応対の仕方もおぼつかない毎日でしたが。
そうした使い走りばかりの仕事で、ようやく格好だけは様になりかけた社会人2年目の6月のことです。
夏季ボーナスの支給額が決まり、全国の支所に支給額の通知書を人事課でまとめて発送するのです。
コンピューーターでアウトプットされた通知書を、総務課で郵送スタンプした封筒に入れ、後は投函するだけです。
上司に帰宅途中に投函するのを頼まれたので、それらをまとめて袋に入れ終業を待ちました。
華の金曜日・頭の中はデートのことばかり
その日は金曜日で各支所には月曜日に届くのを、予定しての郵送です。
ボーナス支給日は到着予定の日から2~3日後だったと思います。
私はビル出口にある郵送業務の部屋で、彼女と待ち合わせしていたので、郵送袋をもって行ったのですが、それ以降の記憶は全然ないのです。
きっと彼女とのデートのことばかり考えていたので、大事な投函は頭から完全に抜け落ちていたのだと思います。
デートは青山のファツションビル・ベルコモンズにあるディスコです。
婦人服のファッションブランド・鈴屋が運営する、若者に人気のビルで、開業して間もないころです。
月に2~3回行くお気に入りのデートスポットでした。
血の気が引いた、月曜朝の通勤電車内
月曜日の朝、独身寮を出た私はいつも通り東武東上線に乗り、楽しかったデートを思い出しながら今日の仕事は?、と考えを巡らせた瞬間に思い出したのです。
「血の気が引く」とはまさにあの時のことです。
『ボーナス通知書の投函をしていなかった』
大変な失策です。
郵送室まで持って行ったことまでは、必死に思い出して地下鉄を降りてからは、本部(社)へそれこそ脱兎のごとし、は言うまでもありません。
幸いにも無事袋はそのままありましたので、すぐタクシーを拾い青山の大きな郵便局で投函しました。
問題はその後です。
通知書は月曜日に届くと、各支所には電話で連絡していたので、到着予定日に届かないとなると、問い合わせの電話が殺到しかねません。
単なる過失と言えば過失ですが、その原因が彼女とのデートに浮かれて投函を忘れていました、ではなんともバツが悪いので、ここはとぼけて逃げ切ることにしました。
案の定午後になると、各所からまだ未達だがどうなつているのか、と会計担当者から問い合わせが次々とありました。
そのたびに「既に発送済なので、間もなく到着するはずです」と課内の電話を一人占めして、上司にバレないようにヒヤヒヤの応対です。
ボーナスの支給日まで2~3日の余裕があったのと、火曜日には通知書も届いたみたいで、この私の失敗は誰にもバレることなく(多分)、今日まで来ました。
45~46年前の社会人2年目の、【記憶に残るお仕事】の【失敗編】です。
【 追記】
当時若者の憧れのビルだった青山ベルコモンズですが、1976年開業以来40年も過ぎて、2017年3月に解体が始まり、今年7月から「THE ARGYLE aoyama」という複合商業ビルとして、青山の新たなランドマークの歴史を刻み始めるそうです。
「plan・Do・see 」東京初出店のホテルを始め、「ポール スチュアート」の旗艦店も表参道から移転してくるとの事。
つくずく時代の流れを感じる作今ではあります。