物販小売りで同時代を生きたUNIQLO 柳井正!!〔60〕
1984年は私がゲリラマーケテイングに本格参入した年ですが、ちょうどその6月に広島市内で、「ユニーク・クロージング・ウエアハウス」(後のユニクロ)という衣料品店(1号店)を開業した男がいました。
現在アパレル業界で「ユニクロ」をグローバル企業へと育てた、創業者 柳井正です。彼は生まれた年は違いますが、私と同じ学年です。
2018年11月現在、国内832・海外1295・ジーユー409・グローバルブランド1003計3539店舗。
同8月期の決算では2兆1300億円の売り上げを誇る、日本を代表する小売り企業に、創業からわずか30数年で成長させています。
「ユニクロ」が衣料品店から脱皮したのが、1994年に広島証券取引所に上場した時と考えると、20有余年です。
この規模の拡大スピードは、前にもブログしたように、物販小売り業のもつ特性(規模の拡大が容易)によるのが大きいのですが、そのスピード感も物販小売りの魅力なのです。
体当たりで覚える商品の選び方!!
柳井正は大学卒業後、まもなく父親が経営する紳士服販売の「小郡商事」に入社、家業を手伝うようになります。
彼によると商売で扱う、紳士服という商品にさまざまな疑問を持つたとあります。
それは
(1)紳士服は接客しないと売れない。同じ商品でも上手く勧めれば売れるが、勧め方が悪ければ売れない。
それに反してカジュアルウエアは接客せずに売れる。ただし売れるものは飛ぶように売れるが、売れないものは全然ダメ。在庫の山。
(2)セールストークや採寸まで技術や熟練が要求される。
(3)紳士服・スーツは価格が高く利益率は良いが、商品の回転が悪い。
年に2回転から3回転、売れればよいが売れなければ在庫リスクの塊。まるで長距離客ばかり狙うタクシー運転手だ。
物販小売りの成功する共通ルール!!
少し商売を熱心にやると、誰しも疑問に思うのは、同じ事ではないでしょうか。
彼が感じた疑問は、今まで私が商材選びに述べたのと、まつたく同じことをいつているのでした。
つまり一部の人(例えば実演販売士・熟練販売人)しか売れない商品や回転率の悪い商品の欠点ですね。
物を大量に販売するには、なり立ての販売員でも説明なしで売れる商品や、回転率をよくするためには低価格の商品が必要になります。
それとともに客層を選ばない商品というのも大事です。
多く販売して儲けようと思うなら、店舗の拡大が容易な商品を扱わねばならないのです。
そのようなコンセプトで始めた1号店は、「売れると仕入れてくる」商品で、低価格をウリにして、各地のメーカーや問屋を回り見切り品を探すのが彼の仕事だつた、と言います。
個人商売で喰うだけが目的ならば、それでも何とか食べていけると思うのですが、さらに事業を大きくするのには、それだけでは限界があります。
衣料品には売れない商品が自然と増えるし、何より店舗を拡大するにはさらに売れる商品が必要です。
他店との差別化・オリジナル商品の開発!!
彼の店の多店舗化にともない、取扱商品は今まで仕入れていた国内のメーカーや問屋では間に合わなくなります。
そこでメーカーを経由して海外生産を始めたのですが、品質管理体制が整つていないため、粗悪品も混じつてきて、彼の思い通りにはいきませんでした。
私も経験したのですが、海外生産すると必ずこの問題に悩まされます。
海外メーカーはまともな商品を作ると、仕入れ値が低いので儲からないからです。
こうなれば経営者は自分たちで生産管理して、現地で直接作らないと満足する商品が出来ない、と思考するのが当たり前になります。
ただその場合メーカーへの返品は不可なので100%買取。リスクを全部自社で背負うので、売れない商品を企画・発注はすると命取りになるのです。
それを失敗しなければ、オリジナル商品は一般市販商品とちがつて、価格コントロールが効くので、利益拡大に大きく貢献します。
ユニクロが確立したSPAというビジネスプラットフォーム!!
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masakicollection.hatenadiary.jp